「免許を持っていても車は持たない」こういった方は少なくないでしょう。東京などの都心は公共交通機関が張り巡らされているため、あまり車の必要性がなく ”若者の車離れ” も深刻化していました。
しかし、2020年頃から流行している新型コロナウイルスの影響で公共交通機関を使わない移動手段を使う人が増え、免許や車を所有したいと思う人も増加傾向に。各自動車メーカーでは「買うだけではない車の利用方法」を提案する動きも目立っています。
便利ではあるものの、どうしても購入・維持費などのお金がかかってしまう車は気軽に購入できないものですよね。そこで今回の記事では「車を購入せずにカーライフを充実させる方法」についてご紹介していきます。
コロナ禍で教習所に殺到した若者
今までは”若者の車離れ”が深刻化しており、免許は一応取ったけど車には乗らないというペーパードライバー状態の若者も多く存在していました。
そんな状況に変化が現れた理由は新型コロナウイルスです。
例年であれば大学生が春休みに入る2月~3月にかけて自動車教習所は混雑を見せることが多いようですが、2020年は緊急事態宣言が明けるタイミングで予約が殺到、数カ月先の予約も埋まっている状態になりました。
自動車教習に人が殺到した理由は主に3つ考えられます。
- リモートワークや授業が主流となり生活リズムが変化、昼間に暇な時間がある人が増えた事
- 密を避けて外出する際の移動手段として車が最適だった事
- 自動車免許合宿がGoToトラベルの対象となったことで半額ほどになったため金銭面でも取りやすくなった事
もちろん新しく自動車免許を取得する人だけではなく、ペーパードライバーのための運転練習にも人が殺到していたようです。
しかし車の購入率はさほど上がらず…
「免許の取得率が上がれば車の購入率も上がるだろう」そう考えられていたものの、免許の取得率と比べて購入率はそれほど上がらなかったようです。
そして2020年、気づいた人もいるかもしれませんが車レンタカーやカーシェアリングについてのCMが一気に増えました。免許所持率が上がっても車所持率が上がらないと気づいた車業界の素早い反応とも言えるでしょう。
レンタカーやカーシェアリングに関しては今までもありましたが、カーリースや車のサブスクなど今まではほとんど聞いたことがなく注目されていなかったサービスが注目されています。
免許を取得しても、車を購入したり維持する財力のない若者は、このようなレンタカーやカーシェアリングなどうまく利用してカーライフを堪能しています。
車を持たない理由は維持費の負担が辛いこと
車を持たない理由として、多くは維持費の負担が辛いことが挙げられます。車は維持費が高いとは言われているものの、実際にはどのような費用がかかるのでしょうか?
車にかかる費用は主に8つあります。
ガソリン代 | 最近はガソリン代の高騰がニュースになっていますが、走れば走るだけ当然ガソリンは必要になります。電気自動車の場合は電気代がかかります。 |
駐車場代 | 現在の住まいが賃貸やマンションであれば駐車場代は必須です。地域や賃貸、マンションによって金額は変動しますが、東京都心の場合の相場は3~5万円です。 |
車検費用 | 新車購入3年後、それからは2年毎に車検を受けることが義務付けられています。車の状態などによりますが必ず数万、故障箇所などあればもっと費用がかかります。 |
自賠責保険 | 人身事故に備えすべての車に義務付けられています。強制加入となるため保険料は一律です。車検時に2年分まとめて支払うことが多いです。 |
任意保険 | こちらの加入は自由ですが、車の破損などに備え多くの人が加入しています。保険料は保証内容によって変わります。 |
自動車税 | 車を保有している限り自動車重量税と自動車税(軽自動車は軽自動車税)がかかります。保有している車によって変動します。 |
メンテナンス | 車検とは別に法定点検を受けることが義務付けられています。故障箇所の有無などで金額は変動します。 |
ローン | 車をローン(分割)で購入した場合にかかります。金額は車の金額や返済期間によって変わります |
どれも基本的に万単位のお金がかかるため、若者が車を持つことに抵抗があるのも納得です。
車を持たずにカーライフを充実させる方法
せっかく免許をとったら車に乗りたいですし、密を回避して移動をしたいと思った時に車は最適です。
「でもお金はなるべくかけたくない…」といった時、車を持たずにカーライフを充実させるおすすめの方法が、レンタカー・カーシェアリング・カーリース・車のサブスクです。
ここからは、それぞれの特徴などを紹介します。
(1)レンタカー
レンタカーのサービスは、以前からあるので知っている人も多いでしょう。「長距離の移動をしたい」「泊まりなど長時間借りたい」「大きめのバンを借りたい」というときにはレンタカーがおすすめです。
ただし、レンタカーショップに出向いてレンタルの手続きを行い、返却時にはガソリンを満タンにしなくてはいけないという少しの面倒くささがあります。
(2)カーシェアリング
カーシェアリングのサービスは、カーシェアリングの会社に会員登録を行い、使いたいタイミングにスマホで車を予約。予約した車が駐車している駐車場に行って車を借ります。
スマホで全て完結し、人とのやり取りが無く、返却時はガソリンを入れておく必要もないのがレンタカーとの違いです。
最短15分からでも車を借りれるので、少しお買い物に行くときなどにでも気軽に借りることができ、短時間の場合レンタカーよりも安い場合が多いです。有名なカーシェアリング会社はタイムズカーシェアなどがあります。
(3)カーリース
カーリースのサービスは、月々定額を支払うことでリース会社が所有する車を中長期(3年や5年)使用できます。車をリース(借りている)している期間も車の所有権はリース会社にありますが、利用者は自分のものかのように比較的自由に使える特徴があります。
契約が満了した際にはリース会社に車を返却するか場合によっては再度リース契約を結ぶ、その車に対する残金をすべて支払うことで買い取ることも出来ることがあります。
ただし、自宅で車を保管するため駐車場の契約が必要です。そのため、月々の定額費用以外に駐車場代がかかる点がレンタカーやカーシェアリングとは異なります。借りれる駐車場があるのかどうか、どれくらいかかるのかを事前にしっかりと調べておきましょう。
(4)車のサブスク
車のサブスクサービスは、月々定額を支払うことによって車の利用権を長期間取得できます。取得している期間はマイカーのように比較的自由に車を利用することが出来ます。
カーリースとサブスクは共通点が多く、一部の表現が僅かに違うだけで利用方法などはほぼ同じです。そのためカーリース同様に駐車場は自分で用意する必要があるので注意してください。
カーリースとサブスクの違い
共通点の多いカーリースとサブスクですが、異なる部分もありますので自分はどちらを利用するべきかしっかりと見極めてくださいね。
メーカーが行う車のサブスク | 一般的なカーリース | |
車種 | 自社メーカーの車種 | リース会社による |
契約期間 | 3年や5年と中長期。月単位が可能な場合もある | リース会社によって変わるものの基本的に7~9年と長期 |
ボーナス払い | 有りのプランが多い | リース会社による |
メンテナンス | ディーラーで受ける | リース会社に関連工場が多い |
その他 | 任意保険がふくまれる場合もある | ガソリン代の割引などが受けられる場合がある |
車のサブスクが向いている方の特徴は…
- 3~5年で次の車に乗り換えたい
- ディーラーでの点検や整備を受けたい
- メーカーや車種にこだわりがある
カーリースが向いている方の特徴は…
- 月額料金の安さを重視
- 欲しい車種が決まっていない
- 独自のサービスを利用してよりお得に車を使いたい
若者における車との新しい付き合い方
今まで「車は購入するもの」というのが常識とされてきましたが、もうすでにその常識は当たり前ではなくなってきています。
これからの若者にとって車との新しい付き合い方は「必要な時に必要なだけ車を利用する」スタイルです。ぜひご自身にあったカーライフを楽しんでくださいね。