大手の百貨店には、系列のクレジットカードがあります。三越伊勢丹なら「エムアイカード」、高島屋なら「高島屋カード」と、さまざまな種類があります。
そして、老舗百貨店である大丸松坂屋には「JFRカード」というクレジットカードがあります。実はこのカード、2021年1月にリニューアルしてお洒落なデザインに生まれ変わりました。新しく加わった特典や優待、入会キャンペーンなどもかなりおトク満載となっています。
この記事では、そんな「JFRカード」の概要や魅力な特典の他、どういった方が保有するのに向いているのか、そしてポイントサイトを使ったお得なカード発行についてをご紹介します。
JFRカードってどんなクレジットカード?
JFRカードの概要について解説していきます。
まずカード名称についてですが、公式サイト上では「大丸松坂屋カード」と書かれています。「JFRカード」の名称は大丸と松坂屋の統合で生まれたJフロントリテイリングの略称を付けたもので、現在は旧名のように扱われています。情報を得るときはご注意ください。
JFRカードは大丸松坂屋の系列カード
JFRカードは、系列の大丸・松坂屋での利用で最大のリターンを得られる1枚です。
現在国内には大丸が10店、松坂屋が4店あります。大阪の大丸と名古屋の松坂屋が一緒になっているため、全国規模です。東京には現在、東京駅大丸、上野松坂屋(御徒町)と2店舗あります。
JFRカードを保有するのに向いている人の特徴
JFRカードは、次のすべてを満たす人にとって最適の1枚です。
- 入会キャンペーンで得をしたい
- カードデザインにはこだわる
- 大丸・松坂屋をよく使う
- 店舗優待は積極的に活用したい
入会で得られるポイントが高いカードである点は、この記事の最後にご紹介します。
JFRカードは、大丸・松坂屋での利用に最も役立ちます。ただ、それだけの利用法だと年会費を高く感じる百貨店ライトユーザーもいるかもしれません。しかし、このカードには「クラブオフ」優待があるので、そちらを活用すると2,200円(税込)の年会費を取り返すことが可能です。
大丸・松坂屋どちらかだけでなく、両方使いこなすユーザーが得をします。また、デザインは以下のとおり。
- ピンク
- ブルー
- さくらパンダカード Visa
どれも縦型タイプで、入会時にはお好きなタイプを選ぶことができます。どれもおしゃれなデザインで目を引きます。
大丸・松坂屋での利用はWポイント還元[最大5.5%]
JFRカードの場合、大丸・松坂屋での利用で「Wポイント付与」が売り物となっており、「大丸・松坂屋のポイント」「QIRAポイント」の2種類が次の通り付与されます。
※両ポイントとも、1ポイント1円相当の価値
ポイントの種類 | 大丸・松坂屋の店舗 | 大丸・松坂屋の対象外店舗(※) | 大丸・松坂屋以外の店舗 |
大丸・松坂屋のポイント | 100円で5ポイント | 100円で1ポイント | - |
QIRAポイント | 200円で1ポイント | 200円で1ポイント | 200円で1ポイント |
合計還元率 | 最大5.5% | 1.5% | 0.5% |
QIRA(キラ)ポイントとは?
QIRA(キラ)ポイントは、百貨店に限らずどこでカード利用をしても貯まる、JFRカードの基本ポイントプログラムです。還元率は0.5%(ゴールドカードだと1.0%)となり、こちらと大丸・松坂屋で貯まる5.0%のポイントを併せると、合計5.5%の高還元率となります。
貯まったQIRAポイントは各種共通ポイントと交換可能ですが、大丸・松坂屋のポイントのみ等価交換となるので、大丸・松坂屋のポイントに交換して百貨店で利用するのが一番おトクな使い方です。
注意:楽天ポイントはつかない
大丸・松坂屋では「楽天ポイント」が貯まり、利用できます。100円(税別)の買い物に対し1ポイント付与で、1ポイント1円相当なので還元率1.0%と高還元率です。
しかし、JFRカード利用の場合はこの楽天ポイントを付けてもらえません。
大丸・松坂屋の飲食店での利用の場合は、「楽天カード+楽天ポイント」で還元率2.0%となるためJFRカードよりお得です。楽天カードから楽天キャッシュにチャージして楽天ペイで支払うと、さらに0.5%増えます。
ポイント全盛時代なので、改善が望まれる部分ですね。JFRカードユーザーも、キャンペーンでもらえる楽天ポイントの「期間限定ポイント」を持っていたら、大丸・松坂屋の飲食店やデリカで使うといいでしょう。
JFRカード申込み前に確認しておきたいこと
JFRカードの概要がわかったところで、実際にカードを申し込む前に確認しておきたいことがいくつかあります。それぞれ納得した上で申し込むようにするとよいでしょう。
ライバル百貨店のハウスカードと還元率を比較
ここで、大手百貨店2社の系列クレジットカードのポイント還元率も見ておきましょう。複数のカードラインナップがあるので、JFRカードと同じ「年会費2,200円」のカードを選んで比較をしています。
エムアイカードプラス | |
利用場所 | ポイント還元率 |
三越伊勢丹の店舗 | 5.5~10.5% ※利用実績により変動 |
三越伊勢丹以外の店舗 | 0.5% |
タカシマヤカード | |
利用場所 | ポイント還元率 |
高島屋の店舗 | 8.0% |
高島屋の専門店 | 3.0% |
高島屋の飲食店 | 1.0% |
高島屋以外の店舗 | 1.0% |
大丸・松坂屋のJFRカードは、これら2つのカード券種と還元率を比較すると若干物足りなく感じるかもしれません。ですが、許容範囲でしょう。
百貨店以外の系列利用店は少ない
ショッピングモールの「パルコ」も大丸松坂屋系商業施設です。
ただし、パルコには独自のカード(パルコカード)があるため、JFRカードを使ってメリットが得られるお店は、大丸心斎橋店[本館]と繋がっている心斎橋店以外にはありません。また、パルコアプリにJFRカードは登録可能ですが、こちらも特段のメリットはありません。
現在は系列のスーパーも存在しないため、あくまでも百貨店利用を前提に考えたいカードです。ちなみに、銀座松坂屋が生まれ変わったGINZA SIXでもJFRカードの特典はありません。
年会費が2,200円(税込)かかる
JFRカードは、年会費2,200円が必ず徴収されます。年会費無料で高性能・高還元のカードが多い昨今では、ちょっと高めの設定です。
リニューアル前のJFRカードには、リボ払い設定をするだけ(リボ手数料を支払う必要なし)で年会費無料になるサービスがあったため、やや価値が下がった点は否めません。ただし後述しますが、ポイントサイトの利用や入会キャンペーンを活用して得られる金額が高い点、考慮に入れたほうがいいでしょう。
家族カード年会費は275円と安くなっているので、家族が多ければ年会費は比較的気にならないのではないでしょうか。
そして、次に取り上げる「クラブオフ」を活用すれば、年会費を支払う価値も生まれます。
JFRカードを申込む際のおトクなメリット
カードを申し込む前に確認しておきたいことをクリアした上で、次にJFRカードを申し込むメリットについてご紹介します。
会員限定のクラブオフ活用で特典が受けられる
大丸松坂屋で積極的に活用すべきJFRカードですが、百貨店と関係のない特典が無料で付いています。それが、福利厚生のリロクラブの提供するサービス「クラブオフ(無料)」です(別途入会手続が必要)。
クレジットカードにはよく付いている特典ですが、スタンダードクラスのカードでは珍しい存在です。クラブオフではこんな特典があるので、年会費を気にしないためにも積極的に使いましょう。
- ホテル:最大80%オフ
- レジャー施設:最大65%オフ
- 日帰り湯:最大60%オフ
- レンタカー:最大55%オフ
- 映画館:1,300円(通常1,800円)
- カラオケボックス:20~30%オフ
- ジェフグルメカード(金券):クレジットカード決済で3%オフ
ポイントサイト経由でさらに還元額アップ
2021年11月現在、ポイントサイト「アメフリ」経由でJFRカードがお得に申し込めます。ポイント還元率は、執筆時点で72,000ポイント(7,200円相当)。
さらに入会後のキャンペーンで、最大6,000 QIRAポイント(6,000円相当)がもらえるので、合計13,200円相当の還元が見込めます。カードを入会で計13,200円もらえるのは、スタンダードクラスのクレジットカードではなかなか貴重です。
なお入会キャンペーンは、入会でもらえる2,000ポイントに加え、入会後3か月以内の利用金額により付与ポイント数が決まります。
- 利用:2万円(税込)…1,000ポイント
- 利用:5万円(税込)…1,500ポイント
- 利用:10万円(税込)…4,000ポイント
3か月間で10万円使うのは、生活費を集約すればそれほど難しいことではありません。
JFRカードでおトクな優待とポイントを活用しよう
今回の記事では、大丸・松坂屋でお得に利用できるJFRカード(大丸松坂屋カード)を見てきました。クラブオフ優待が付いていて、入会キャンペーンで得られるポイントも高く、メリットが多くあることがわかりました。
さらに、ポイントサイト経由で7,200円相当のポイント還元(記事執筆時点)に加えて、JFRカード公式側のポイント6,000円相当ももらえるので、年会費は一撃で相殺できますね。
最大5.5%のポイント還元を受けるには、対象外店舗を除く大丸・松坂屋の店舗での利用が求められますが、これが出来る人なら価値ある1枚となるでしょう。