「量り売り」というと、何を思い浮かべますか?例えば、子ども向けショップや映画館の一部でクッキーやグミなどを売っているイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実は現在、量り売りというサービスが注目され始めています。それは一体なぜなのか…?
この記事では、量り売りが注目されている理由や実際に量り売りで買い物できる店舗についてを紹介します。なんとこの「量り売り」、ゼロ・ウェイストを行う方も注目しているようなのです。
ゼロ・ウェイストとは?
まず「ゼロ・ウェイスト」について触れておきますね。
ゼロ・ウェイストとは “日々の生活で出るゴミを極力減らしたライフスタイル” のことです。
似ているもので“ミニマリスト”がありますが、ミニマリストは必要最低限の物のみで生活をすることであり、ゴミを極力減らした生活を行うゼロ・ウェイストとは似ているようで少し違うものになります。
ミニマリストの生活を行う上で、ゴミを減らすことを追求していくとゼロ・ウェイストとなります。ゴミを減らすことで環境問題の改善につながる他、節約にもなるということで、TwitterやInstagramなどのSNSでよく見かけるようになったライフスタイルです。
ゼロ・ウェイストについては、以下の記事でより詳しくメリット・デメリットもふまえて紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
量り売りが注目されている理由
子ども向けショップや映画館の一部でクッキーやグミなどを売っているイメージが多い量り売りですが、現在注目されている量り売りはお菓子ではありません。
量り売りされている物は様々で、食材であればナッツや乾物といったシリアル食品、調味料など。日用品であれば洗剤や石鹸、化粧品などがあります。
これらの量り売りが注目されている理由には主に3つあるので詳しく紹介します。
ゼロ・ウェイストという考え方やエコ意識の浸透
SNSが広く普及したことでゼロ・ウェイストやミニマリストという考え方や生活様式が広まったこと、レジ袋の有料化やプラスチック製品の使用削減といったエコ意識の浸透が関わっています。
これらに共通することは“ゴミを出さない”ことです。
量り売りでは欲しい物を欲しい分だけを購入することができるので、買いすぎや過剰包装を避けられます。
また、量り売りの場では野菜や果物も包装されず、カゴや木箱に積み上げられているものを購入するため無駄なゴミを出しません。
新型コロナウイルス感染拡大による通販利用の増加
こちらは先ほどのエコ意識の浸透に重なる部分があります。
新型コロナウイルスによる外出自粛で、普段はお店で購入していたものでも通販に切り替えたという人も多いのではないでしょうか?
その時に「包装などのゴミの多さ」に驚いた人もいるのでしょう。ダンボールなどは廃棄も面倒くさく、できれば避けたいゴミです。
新型コロナウイルスが落ち着いてきた今だからこそ、通販ではなくゴミが出ないエコな買い物方法である量り売りが注目されています。
欲しい物を欲しい量だけ買えるので節約にもつながる
スーパーで買い物をしていると「これの半分で十分なんだよな」と思ったことはありませんか?もちろんスーパーでは半分にカット(小分け)してもらって購入することはできません。
しかし量り売りでは、100gだけ120gだけなど細かい単位で選ぶことができるので、欲しい物を欲しい量だけ購入できます。これはエコや無駄の削減だけではなく、無駄なものを購入しないことになるため節約にも繋がります。
多くの量り売りの場合、はじめに容器と合わせて欲しい分だけの商品を購入、次回から容器を持参すれば商品だけの金額で購入できるのでエコ+節約となるのです。
量り売り専門店は存在する
量り売りは店舗の一部に設置してある事が多いですが、量り売りが注目を浴びているということで、2021年に量り売り専門店が東京と京都に1店舗づつオープンしています。
また、イギリスにも量り売り専門店がありますのでこの3店舗を紹介します。
株式会社斗々屋
株式会社斗々屋は、地球からの様々な恵みがなければ我々は生活できないことから、地球一個分の暮らしを実現するために「モノ」と「コト」を提案することをミッションとしています。
地球環境・生産者の健康をそれぞれ害さず生産されたもの。適正価格で取引を行いゴミを極力出さないように最大限配慮して仕入れたもの。
これらを提供する直営店として、東京のnue by Totoya 国分寺店と京都の斗々屋 京都本店の2店舗を運営しています。
nue by Totoya 国分寺店
2021年1月13日に量り売りのモデルショップ「nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)」が国分寺にあるオーガニックカフェ「カフェスロー」へ移転されました。
オーガニックカフェの中に移転されているため量り売りで購入できる商品は限られていますが、新商品も続々と登場しているので飽きることなくお店に通うことができます。
住所 | 〒185-0022 東京都国分寺市東元町2-20-10 |
営業時間 | 平日 11:30-17:00/土日祝 11:00-18:00 |
定休日 | 毎週月曜日&毎月18日 |
斗々屋京都本店
2021年7月31日には、京都御所の東側にて完全ゼロ・ウェイストのスーパー「斗々屋 京都本店」がオープンしました。店内には約700品目のオーガニック生鮮食品やフェアトレード食料品、洗剤などの日用品を取り扱っています。
国分寺店よりも圧倒的に品数でまさる京都本店では乾物や液体以外にも野菜や果物、お豆腐、納豆、お肉、お惣菜なども販売されており、量り売りで購入できます。
個包装は一切しないことにこだわり、有料・無料問わず使い捨て容器や紙袋は提供しないという徹底ぶりです。
住所 | 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町252 大澤事務所ビル1F |
営業時間 | スーパー 11:00-19:00/レストラン 18:00-23:00(コロナ禍の影響により20時までの時短営業の可能性があります。) |
定休日 | 水曜日 |
グリニッジマーケット
量り売りが注目されているのは日本だけではなく、イギリスにも量り売り専門店があります。
首都ロンドンの中心部から30分ほど車を走らせた場所にあるグリニッジマーケット。高級住宅街の一角に店を構えるマーケットの一角で「グリニッジマーケット」は営業しています。
卵や牛乳、調味料、日用品、化粧品など店内には450品目の商品が溢れており、もちろん全て量り売りで購入できます。買い物をする際には容器を持参するのが決まりで、店に入って一番にすることは持参した容器の計量とのことです。
容器や包装といった抑えられたコストを客に還元しているため、商品はどれも手頃な価格でかなりの人気を集めています。
今後増えていくだろう量り売り専門店
レジ袋の有料化、プラスチック製品の削減、コロナ禍による通販使用増加による包装問題などで注目されている量り売りですが、今後このようなお店は増えていくことでしょう。
もちろん今回紹介したような量り売り専門店も増えると思いますが、普通のスーパーの一角に量り売りコーナーというものが併設され、どのような方法で商品を購入するか客自身が選べるようになるのではないかと考えています。
容器を持参する必要がある場合もあるので、今まで通りの感覚では少し「面倒」に感じるかもしれませんが、一度量り売りで商品を買ってみるとその感覚は少し覆るかもしれませんよ。