リボ払いは、消費者保護の点から評判が悪いことが多いですが、一方でリボ払い専用のクレジットカードも多数あります。
この記事では、リボ嫌いの人でもサービス内容を知ることで「意外と使えるかも…?」と思うかもしれないリボ払い専用カードの1枚、三井住友カードの「Revostyle(リボスタイル)」をご紹介します。
きちんと管理できる人に限定されますが、メリットも多く様々なシーンで活用できるリボスタイルでカード上級者になりましょう。
三井住友カード「RevoStyle(リボスタイル)」はどんな人に向いている?
三井住友カード「RevoStyle(リボスタイル)」はリボ専用カードの中でもユニークな存在ですが、2019年の誕生以来、正当な評価を受けたことがないかもしれません。
リボ払いを理由に嫌われるのは仕方ないとして、他にも理由が次の通りあると思われます。
- リボの自動回避ができない
- それにより、リボ手数料の発生自体回避できないと誤解される
- 条件なく手数料無料のメリットが、後発の「ナンバーレス」により唯一無二でなくなってしまった
- リボスタイルはコンビニやマクドナルドなどで2.5%還元(三井住友カード共通)だが、ナンバーレスだと最大5.0%還元
ですが、このカードが向いている人は、次の通り間違いなくいます。
- 三井住友カードが良いがカード還元率は高く保ちたい
- いざという時にリボ払いを有利に使いたい(計画的な借金として)
- 毎月のカード利用額を緻密に管理するのが苦でない
この点に当てはまる人にとっては、リボスタイルは悪いカードではありません。もちろんメインカードとしても活用できます。
RevoStyle(リボスタイル)はこんなカード
リボスタイルは、リボ払いを積極的に使いたいという人以外にも役立つカードです。
ご自分に無関係と思わず、もう少しお付き合いください。
(1)リボ金利が9.8%!10%を切り圧倒的に低い
まず、カードの基本機能であるリボ払いの面から見てみます。リボ払いは言うまでもなく借金と同じことです。手数料(実質的には利息)の計算根拠となるのが、金利です。
一般の三井住友カードと、低く設定されたリボスタイルの金利を比較します。「10万円」のリボ残高を「30日」そのままにしておいた場合のリボ手数料も付け加えます。
- 三井住友カード:15.0%(1,232円)
- リボスタイル:9.8%(805円)
金利に基づく、リボ払い手数料の差が大きいことがおわかりかと思います。
いざお金が必要になったときには、カードローン(銀行で14%台、消費者金融で18.0%)を使うより、リボスタイルのリボ払いを活用すると利息が低くて済みます。
(2)毎月手続きが必要だがリボ回避はできる
リボ専用カードというものは、多くの場合で次の前提と手段によりリボ払い手数料の回避が可能です。つまり、実質1回払いにするという意味となります。
初回手数料無料(締め日を過ぎてもリボ手数料が発生しない仕組み)のカード
▼手段
月々の支払額を、月のカード利用額より高い額に設定する
初回手数料無料のカードの場合、支払日を過ぎなければリボ手数料(利息)が発生しません。そして、利用者自身で設定する、月々の支払額を高くしておけば、すべての利用分が支払日に引き落とされます。リボ残高が残らないのです。
リボスタイルの場合は、「月々の支払額」を自分で設定する仕組みがありません。このため、リボ回避ができないカードと誤解されがちです。ですが三井住友カードのリボ払いも「初回手数料無料」なので、リボ残高を残さず支払ってしまえば実質1回払いとなり、リボ手数料は発生しません。
リボスタイルでは、「手段」をこのようにして、リボを回避します。
- その月の利用額を確認する
- 支払日前にリボの増額払い手続きをして、利用額イコール支払額にする
毎月「増額」の手続きが必要ですが、これでリボ手数料を回避できます。この場合は毎月の支払額が確定してから手続きをしてください。10日支払の場合26日頃、26日支払の場合11日頃です。
さらに意図的に少量のリボ残高を発生させると、ポイントで得をします(後述)。
月々の支払額は自動で決まる
リボスタイルの場合、他のリボ払い専用カードと違い、毎月の支払額を自分で設定しません。前身のカードである「エブリプラス」とはこの点が異なっています。
毎月の支払額は、締日(毎月末日または15日…会員の選択による)時点の利用残高で決まります。次の通りです。
利用残高 | 支払額 |
10万円以下 | 5,000円 |
20万円以下 | 10,000円 |
30万円以下 | 15,000円 |
40万円以下 | 20,000円 |
(以下利用残高10万円増加) | (以下支払額5,000円増加) |
毎月の支払額が、5,000円から1万円程度に自動で決まるユーザーが多いでしょう。
請求額どおり支払っていると、どんどんリボ残高が貯まってしまいます。必ず、随時増額や随時返済で、残高を保ちましょう。次に述べます。
リボ残高を増やさないコツ
低金利設定のリボスタイルはいざというときのリボ払いが便利ですが、日ごろはリボ残高を増やさず、手数料を無駄に支払わずに使いたいものです。
慣れれば、残高を増やさない心掛けは決して難しくありません。次の手段で、残高を増やさないようにしましょう。
- 支払日の随時増額(前述)
- 三井住友銀行やコンビニ等、ATMでの随時返済
- 振込みによる残高返済
ATMでの随時返済は、三井住友銀行だけでなくコンビニ等の提携ATMでも手数料無料でできるため、おすすめです。
(3)リボ払いでポイント還元率が1.0%にアップ
サービス豊富で、常に進化を続ける三井住友カードの難点が、ポイント還元率が平凡(0.5%)だということ。ボーナスポイントをはじめとするポイントアップ手段も多数あるとはいえ、楽天カードなど還元率1.0%以上のカードと比べると、全体として見劣りしてしまいます。
この点リボ払いを活用すると、ポイント還元率が倍の1.0%で使えます。ただしリボ手数料が発生しているときに限ります。
リボ嫌いの人なら「還元率がアップしても手数料が発生したら元も子もない」と思うでしょうか。これは正論ですが、先に見た通り毎月の支払額を増額で調整し、あえて少額の残高を残せばいいのです。
リボスタイルも一般の三井住友カードも同じルールですが、すべてがリボ払いになるリボスタイルでは、調整をルール化しやすいのです。
実例を見てみます。
- ある月のカード利用額が、51,000円
- このままだと支払額は5,000円のみ(自動で決定)
- 随時増額し、この月は50,000円支払うことにする
- 1,000円のみリボ残高が発生
この場合、ポイント還元額と、1,000円のリボ残高に掛かる30日分の手数料はそれぞれ、こうなります。
- ポイント還元額:255pt(51,000 ÷ 200 × 1)の2倍で<510pt>
- リボ手数料:8円(1,000 × 9.8% ÷ 365 × 30)
あえて1,000円のリボ残高を残し、8円の手数料を支払うことで、ポイントが255円相当(1ポイント=1円)増えるわけです。
(4)ボーナス一括払い、2回払いは使える
リボスタイルでの支払いは、基本的にすべて自動でリボ払いになります。ですが、手数料の掛からない「ボーナス一括払い」「2回払い」は使えます。
こう断って支払ったものは、リボ払いにはなりません。ただしリボスタイルの場合、リボ払い金利が優遇されているため、手数料の高い分割払いは避けるべきでしょう。
RevoStyle(リボスタイル)を賢く使ってポイントアップ
計算のきちんとできる人にとってリボ払い専用カードのリボスタイルは、決して怖いものではありません。
他のリボ払いカードのような、自分で決める月々の設定額がなく、そのため月5,000円を超える場合は毎月増額手続きが必要です。この点はやや面倒かもしれません。ただ、リボ手数料を微妙に発生させることでポイントが2倍になるメリットは捨てがたいものです。
リボスタイルを使いこなして一段上のユーザーになりましょう。