最近、TwitterやInstagramなどのSNSで見かけるようになった「ゼロ・ウェイスト」という言葉。これはどういったものなのか意味を知っていますか?
「ゼロ・ウェイスト」とは、簡単に言うとゴミや無駄を減らそうということ。家計の節約だけではなく環境保護にも大切な意味をもっています。
この記事では、言葉の詳しい意味や注目されるようになったきっかけ、「ゼロ・ウェイスト」を行うことのメリットなどを紹介します。
ゼロ・ウェイストとは?
ゼロ・ウェイストとは ”日々の生活で出るゴミを極力減らしたライフスタイル” のことです。
似ているものでミニマリストがありますが、ミニマリストは必要最低限の物のみで生活をすることであり、ゴミを極力減らした生活を行うゼロ・ウェイストとは似ているようで少し違うものになります。
ミニマリストの生活を行う上で、ゴミを減らすことを追求していくとゼロ・ウェイストとなります。
著書『ゼロ・ウェイスト・ホーム』
ゼロ・ウェイストという言葉が多く知られるようになったきっかけは、アメリカを拠点として活動している環境活動家のベア・ジョンソンさんの書いた著書『ゼロ・ウェイスト・ホーム』です。
世界的なベストセラーとなったこの本の内容は、ゴミを減らして家計費を40%節約した自信の経験を本にしています。ジョンソンさんは4人家族なのですが、ゼロ・ウェイストを実践した1年間のゴミがなんと1Lのみになったそうです。
ゴミを出さないという上ではリサイクルと同じだと思うかもしれませんが、リサイクルはあくまでゴミを処理するための方法の一つです。そのため根本的にゴミを出さないようにするゼロ・ウェイストとは全く違うものになります。
ゴミを減らすことのメリット
ゴミを極力減らす生活のことをゼロ・ウェイストと呼びますが、ゴミを減らすことにはどういったメリットがあるでしょうか?
ゴミを減らすメリットは大きく分けて2つあります。
メリット1:家計の節約
ジョンソンさんも『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で40%の家計費の節約ができたと執筆されている通り、ゴミを減らすということは家計の節約に繋がります。
ゴミを減らすということは、今まで捨てていたものを使う、今まで使い捨てにしていたものをやめて使い回せるものを使うなどをすることで、”物を買う”という事を単純に減らせるので節約に繋がります。
そして意外と意識していないかもしれませんが、ゴミを捨てるという行為にもお金がかかります。現在はゴミを捨てる際の袋が指定されている地域も多く、なんてことないビニール袋よりもわずかに高い事が多いです。
毎週2日間ゴミを毎回出しているのであれば、それだけ袋を購入していることになります。ゴミを減らすということはゴミを捨てるお金も減らすことができます。
メリット2:環境の保護
環境問題はテレビでもよく取り上げられており、海洋プラスチックの問題は深刻で、カフェなどではプラスチックのストローの使用を中止していたり、買い物袋も有料になっています。
ゴミを減らすということは単純に環境の保護に務めることができます。
現在ゴミの処理は燃やす事がほとんどであり、大量の二酸化炭素の発生で起こる環境汚染や焼却後のゴミを埋める埋立地の不足など、ゴミを処理し続けるには問題は山積です。
今からゴミを減らす生活を身につけて行けば、地球環境をより良い状態で保つ第一歩になります。
ゼロ・ウェイストを始める前にすること
では、ゼロ・ウェイストを始める前にどんな事をしておけば良いのでしょうか?
これから始めようとしている方は、事前によく確認してくださいね。
持ち物をできるだけ減らす
ゴミを減らすための第一歩は持ち物を減らすことです。これは一度ミニマリストの生活となると良いでしょう。
100個の物を持っている人と50個の荷物を持っている人では、荷物が少ないほうが捨てるものが少ないというのは、なんとなくわかってもらうことが出来ると思います。
日々何を捨てているかを知る
あなたは自分が日々、何を捨てているか把握していますか?
物を捨てることを意識している人はかなり少なく、実はどんな物を捨てているか知らない人も多いと思います。ゴミを減らすためにはまず、自分がどんな物を捨てているのかを知らなければゴミを減らすことはできません。
ぜひゴミ箱の中身をのぞいて、どんな物を捨てているのかを確認しましょう。
ゼロ・ウェイストを始めている人の情報を集める
TwitterやInstagramには、すでにゼロ・ウェイストを始めている人の投稿が多く公開されています。
投稿には、ゴミをなくすポイントや失敗談、おすすめできる(またはできない)方法など、たくさんの情報で溢れています。
実際に始める前には、どんな方法をしているのかを情報を集めてイメージを固めてから時初めましょう。
ゴミを減らしていく6つのポイント
ここからは、実際にゴミを減らしていくためのポイントを6つ紹介していきます。
一気にすべてを始める必要はないので、できそうなものから少しづつ取り組んでみるのも良いのではないでしょうか?
(1)使い回せるものを選ぶ
何かを購入するときには使い捨てにするものより、使い回せるものを選ぶようにしましょう。
現在は新型コロナウイルスの影響でマスクを手放せない生活を送っていますが、そのマスクを使い捨てではなく洗って使い回せるようなものを選ぶと毎日のゴミを減らすことができます。
(2)食品を残さない
料理はほぼ毎日行い、3食料理をする家庭も少なくないでしょう。
例えば、大根や人参の皮を捨てずにきんぴらとして1品にするとその分のゴミを減らすこともできます。何より日本で廃棄されている多くの食材は、賞味期限や消費期限が切れた物や腐ったものです。
セールだから、安売りだからと商品を買うことは節約をする上で大切ですが、捨ててしまうのは無駄なゴミを出していることにもなりますし、お金を捨てていることにもなります。
必要な食べ切れる分だけを購入するようにしましょう。
(3)過剰包装の商品を避ける
過剰包装についても日本では問題となっています。
過剰包装されているお菓子などの袋はなにかに再利用することは難しく、結局はゴミになってしまいます。多くの物で過剰包装がされているため、完全に避けるのは日本のスーパーで買い物をしている限り難しいでしょう。
できるだけ減らすということを念頭に選べる場合には、過剰包装ではない方を購入するようするだけでも十分です。
(4)フリーマーケットアプリを利用する
最近はラクマやメルカリなどのフリーマーケットアプリ(以下フリマアプリ)を利用して、いらなくなった物を売り買いすることがかなり簡単に出来るようになっています。一度は使った事がある方もいるのではないでしょうか?
フリマアプリでいらないものを販売する事はもちろん、ゴミとなってしまうものを販売するので節約になる上にゴミを減らす事ができます。
逆にフリマアプリで販売されている物を購入することも、節約とゴミの削減の両方を行うことができます。
(5)プラスチック製品を避ける
プラスチック製品は日常に溢れており、毎日1度は必ずプラスチック製品を使っているのではないでしょうか?
もちろんすべてのプラスチック製品をやめろといっているわけではありません。しかし、プラスチック製品は使い続ければ劣化してしまう場合が多く、買い替えにお金がかかる上ゴミになってしまいます。
安いからという理由で他の素材の製品があるにも関わらず、プラスチック製品を選んでいるのであればそれは安物買いの銭失いです。
プラスチック製品はたしかに安いですが、劣化したり壊れてしまうのも早いです。少し高くてもプラスチックではない素材のものを選ぶと長く使うことが出来るでしょう。
(6)レンタルを利用
CMでもたまに流れていますが、最近はいろいろなものをレンタルすることができます。
アウトドアグッズや正装用の服、ブランド品など、調べてみれば意外と多いということがわかるかと思います。
もちろんレンタルということで、洗濯や消毒が行われているとはいえ抵抗がある場合もあると人もいるでしょう。それを我慢する必要はありませんので、もし利用できるのであれば利用してみてください。
節約だけではなく環境の為にもなるゼロ・ウェイスト
今回は「ゼロ・ウェイスト」について、意味やメリット、始める前に気をつけたいことなどを紹介しました。節約や環境保護につながることがわかっていただけたかと思います。
ゼロ・ウェイストを始めるときには、必ず同居人に説明をしたり同意を得てから行うようにしましょう。
明確に「ゴミをこれだけ減らすことができればゼロ・ウェイスト!」という決まりはありません。無理なく自分なりのゼロ・ウェイストを始めてみてくださいね。